別冊Offshore(Offshoreからはみでた中国語圏やアジアの文化芸術)
まさか2022年、中国で「インターナショナル」が市民により自発的に歌われるとは思わなかった。 ゼロコロナを目指す中国。ゼロコロナという言葉がもしかしたら数年後、10年後、数十年後にまったく意味が通じない言葉となっていたら不安なので付け足しておくと…
もう数ヶ月まえのことだけれど、ブルース・リーの映画を初めて見た。『ドラゴン怒りの鉄拳』。1972年の映画。 肉体的な映画に全く興味がなかったのでこのままいけばブルース・リーを一本も見ずに老人になるところだったが、見ておかなければならないと思った…
かなり時間が経ってしまったけれど、以前書いた01に引き続く中国地方旅行レポを書いておく。 yamamotokanako.hatenablog.com 中国地方鳥取、山口へのひとり車旅行。上記の埋め込みリンクから読める01は、最後に訪れた山口でのこと。この同日のYCAMイベントで…
youtu.be 今私は2022年北京冬季五輪開会式の映像を見返している。確か当日、生でも見ていたのだが、再び見る。スペクタクル。規模がでかい。そして演出に芯がある。はっきりいって素晴らしい。立春の日に開幕した北京冬季五輪は、「中国には24節気がある」…
先日行ってきた中国地方鳥取、山口へのひとり車旅行について記録。 YCAMで開催された大城真さん監修「はじめてのガチ聴き」9月4日の回に行きたかったので、全然車に乗らないのにまた車検に通してしまった父の車を4日間ほど占有させてもらい中国地方のいろん…
offshore-mcc.net さて、8月1日(旧暦7月4日)、目標としておりました創刊日になんとか創刊できたということになります。現在、オフショアのオンラインショップでも購入受け付けておりますが、各地の書店の皆さま!ぜひ、店頭で販売していただけるとうれしい…
新しい小冊子『個人メディアを十年やってわかったこととわからなかったこと――オルタナティブ・ネット・音楽シーン』を6月21日に発行します。つきましては、冒頭に書いた「はじめに」を全文公開します。「続きを読む」からご覧ください。 書店で取り扱いを希…
最近WeChatタイムラインを見ていると、あんぐりと口をあけてしまう。地方都市の中の上クラスのレストランで赤ワインを嗜んでいる友人の写真が流れてきたり、即興音楽のライブ映像が流れてきたり、ライブ情報の告知記事が流れてきたりもするなかに、ロックダ…
このタイトルをつけたかっただけ*1のブログ記事となるが、2022年春晩のミニ・レポートを。 春晩とは、中国で毎年旧正月の前夜(つまり大晦日)に開催される、ステージ・パフォーマンスを集めた番組。歌あり、喜劇あり、相声(漫才のような2人の掛け合いしゃ…
前編では、中国の国際演劇祭「乌镇戏剧节」(Wuzhen Theatre Festival)と、2021年1月から3月まで動画配信プラットフォーム「爱奇艺」にて配信されたリアリティショー「戏剧新生活」(Theatre for Living)の関係についてざっと紹介した。この後編では、「乌…
前編に引き続き、山形国際ドキュメンタリー映画歳2021で私が観た作品の短評。後編は5作品。 (前編はこちら) 『武漢、わたしはここにいる』中国/2021/153分 監督:蘭波(ラン・ボー) https://yidff.jp/2021/program/21p9.html 武漢で劇映画を撮る予定だ…
2015年に映画『パーティー51』を、イベント企画内で上映する機会を得てから、毎回なんらかの形でチェックしたり参加しているのが山形国際ドキュメンタリー映画祭。コロナの影響で2021年はオンラインで開催されるということ、また、批評ワークショップに関し…
中国では今、多くの人がテレビではなくスマホで動画を見るようになり、いくつかある配信プラットフォームがドラマやバラエティ番組、映画ラインナップを充実させ、より多くの視聴者を集めようと競争している。日本でもNetflixやAbemaTV、GYAO!などを、PCやTV…
「クロスレビュー」に参加した。異なる専門家が三人集まって、主宰する劇作家・岸井大輔とともにそれぞれにとって異分野となる作品をレビューしあうというもの。 yamamotokanako.hatenablog.com 私は『THERE IS NO MUSIC FROM CHINA』という、中国の、ビート…
中国共産党は今年、党創立100周年を迎えた。党の創立記念日である7月1日、午前には天安門広場で式典が開催され、夜には党の100歳を華やかに祝うため、ダンス・音楽・映像などをかつての音楽劇『東方紅』さながら組み合わせた舞台パフォーマンスが開催され…
映画は政治抜きに語ることはできないコンテンツである。ストーリーに社会や政治が反映されることはもちろん、その製作資金あつめや配給などを円滑に進めることは、交渉や駆け引きが必須となり、政治そのものである。出来上がった映画を観る者は、金持ちから…
演出家である篠田千明(しのだちはる)さんの『ZOO』(原作:マヌエラ・インファンテ)が、2018年の乌镇戏剧节(Wuzhen Theatre Festival)に招聘された時、私も一緒に乌镇(Wuzhen)に行った。渡航まで半年以上にわたる契約書のやり取りから現地フェスのマ…
最近はSpotifyで中国のロックやポップスをたくさん聴くことができて便利でありがたい。中国国内ではSpotifyはブロックされていて使えないらしいが。 窦唯や万能青年旅店などは、私のSpotify内で、かなり再生回数が多い。けれども、2011年から東アジアの音楽…
『唐人街探偵 東京MISSION』は映画シリーズ『唐人街探案』の3作目。1作目と2作目についてはここに書いた。 yamamotokanako.hatenablog.com 監督は、ロウ・イエ監督『スプリング・フィーバー』で三角関係となる探偵役だった陳思誠。役者と監督の両方を続け…
長引く雨。長引く私の背と肩のコリ。そろそろ1週間ぐらい連続で毎日全身風呂に浸かっているが、それでもコリが取れない。鍼に行くか悩みつつも、最近医者にかかりすぎでこれ以上医療費払うのもなあ、と躊躇する。ではせめて自分で少しでも楽に、と、百均で…
『唐人街探案』について調べて書いていたときから、このシリーズの主役である王宝強(ワン・バオチャン)の中国における人気と人間像と中国社会の関係が、非常に興味深いことに気づき、勝手に一人で「王宝強レトロスペクティブ」をしている。(要は、王宝強…
2013年頃だったか。Offshoreを初めてまだ数年の頃。コロナなんて存在せず、LCCも安く、私の当時の収入もそれなりに安定していたのか、数ヶ月間の海外旅行が可能だった。貯めたお金で、数ヶ月東アジアの各地に滞在し、フラフラしながら取材をすすめる、なんて…
2021年7月、『唐人街探偵 東京MISSION』という中国映画が日本で公開されるという。中国で超人気、興行収入が桁違いの映画シリーズ『唐人街探案』の3作目となる。(※1、2作目は日本で公開されていないため、中国語原題の『唐人街探案』と表記する。)…
上海国際映画祭が、今週末から始まるらしい。オープニング作品は『1921』という映画。2021年は中国共産党の誕生100周年。100歳記念で製作された映画である。 youtu.be 上海国际电影节 中国の人気若手俳優、人気中堅俳優達が出演している。日本人が想像しがち…
Twitterにも書いたが、ソウル弘大で繰り広げられたミュージシャン達による社会運動を追った映画『パーティー51』にも登場していたバムソム海賊団(バンド史上何度か目の解散中)のベース&ボーカリストであるソンゴンが始めたブログが面白い。 Googleでの日…
デイジョブはまったく中国もポピュラー音楽も関係のないアートマネジメントと呼ばれるような、ようは文化施設の何でも屋さんみたいなことをしている。たった週3での契約だが、週3であってもやり取りする人が私の週3出勤日に合わせて動いてくれるわけでは…
2018年、コロナ以前に中国で公開されていた映画をコロナ禍のなか今やっと日本で見るという、この時差。とにかく日本国内でのパンフレットが制作されていなかったようなのが残念。これでもかというほど、中国の社会問題や特徴となる要素が詰まっている。 まず…
『愛しの母国』(現題:我和我的祖国)は中華人民共和国建国70周年の2019年、建国記念日である国庆节(10月1日)に中国で公開された、中国を讃える愛国映画と言える。 私は中国の実験的な音楽や地下音楽、とにかく音楽を中心に調べているのだけれど、なぜよ…
本チャンのOffshore記事が全然書けないのに別冊だけが溜まっていく……。 引っ越し後いまだ慌ただしく、今日も通販で届いた収納用品を朝から開梱し、部屋内に溢れ出ているものを収納していく。数日前に観た映画『愛しの母国』(現題:我和我的祖国)の一編でテ…
うっかりしていると見逃してしまう中国映画。大阪にいると、続々と新しい中国映画が公開されるから忙しいしお金もかかる。いつも映画を観に行きたいときは「本当に自分は観たいと思っているのか、絶対映画館で寝たりしないんだな?」と問いただしてから観に…