100OSAKA U35展で展示したテキスト

 2013年8月1日〜8月11日、江之子島文化芸術創造センターで「100OSAKA U35展」という展示が開催された。そのときに自分が展示物として置いたものは350mlビール缶で、こんなテキストを一緒に添えていた。

 

 フォルダに埋もれていたものを、今日、たまたま見つけたので公開しておきます。

 

あなたが選ぶ「大阪/OSAKA」は何ですか?(具体的にお書きください)

 

 

「また飲みに行こうや」の一言

選んだ対象についての説明と、選んだ理由を自由に書いてください。(400〜600字。改行位置はそのまま記載します。)

 


 大阪は何かと「飲み」でごまかしている部分が多い。何か相談があるとき、ブレインストーミングするとき、そして打ち合わせが飲み会になることもあったり。別れ際に「また飲みに行こうや」「また飲みに行きましょう」と、社交辞令のように言い合うことも。私は生真面目な人間なので、「真剣にシラフで話したいんだけどなあ」と思うことがよくある。昨年1年間東京に毎月のように通い、自分でトークイベントを企画、開催してきた。東京の人たちはさすがテンポも速く、仕事と飲み会の距離が大阪ほど近くはないように思えた。「大阪の人間はすぐ飲み会でごまかす。何でも最後に笑い話になってそこから話が進まへんから困るわ。」と、東京に少し慣れた私はぼやくようになっていた。そして、自分には東京の方が肌に合うと思うようになっていった。
 だが、東京で活動をしていくと、大阪では普段出会うことのないレーベル関係者、メディア関係者などに出会うようになり、“業界”の流れを少し知ることができた。それぞれの思惑や損益が絡む話を聞き、それに対して自分がどのように動くかを考えたとき、「なんでこんな駆け引きせなあかんねん」と思った。
 大阪に戻り、大阪の安い飲み屋で、大阪弁で話し、最後にはオチが付き笑う。金は動いてなくても、人情が動く。駆け引きなんかしなくとも、酔って本性見せてこそ仕事できる大阪って無敵やな、と思って、東京に行くのは辞めた。

 

 

2020年11月 noteより移行