『オフショア』第三号、無事に発売となりました!
演劇、音楽、アートに関わる方、つくり手の方には特に読んでいただきたい号。(というか、自分がそのフィールド出身なので、その界隈の方々に向けてつくっていると言っても過言ではないです。)
下記、編集・発行人の山本佳奈子より、ご紹介です。
<『オフショア』第三号のもくじ>■武田力インタビュー「分断を越えるための演出術――
俳優と民俗芸能の経験から」聞き手・構成:山本佳奈子
■「芸術と力
ジョグジャカルタの知」金悠進
■「
私は如何にして心配するのを止めてマレーシアの生活を楽しむよう
になったか」友田とん
■連載・第三回「
台湾における市民による地下メディア実践と
民主化との関係――
1990年代の台湾の地下ラジオ運動を軸として」『
巻き起こった地下ラジオ旋風』和田敬
■
聞き書き・第三回「営業のさちよさん」檀上遼
■「プンムルと追悼――演奏を通じた加害の歴史の語りなおし」
齊藤聡
■「わたしと、中国の幾つかのこと」長嶺亮子
表紙装画:
胡 沁迪(フー・チンディ)ロゴ・表紙デザイン:
三宅 彩
冒頭の武田力(たけだ・りき)
インタビューで出てくるタコのネガティブなイメージ(=
侵略者としての表象)を頭に置きつつ、以前からタコの脚を”
かわいらしく”描いてきた中国
杭州の版画家・胡沁迪(フー・
チンディ)に、タコの
木版画を提供してもらいました。
<読みどころ>下記、編集・発行人の山本佳奈子による簡単なご紹介です。
手に取ったお客様との雑談にもぜひご活用ください!
演劇やアートの現場で活躍する武田力(たけだ・りき)
のインタビューを巻頭に収録。まずは、
チェルフィッチュにて俳優として活動していた頃の経験から。「アンチ・
チェルフィッチュ」と言いつつ、
チェルフィッチュの身体性がなければ今のようになっていない武田のキャリアを、自身の言葉で語っています。
戦争で日本軍からの被害を大きく受けたフィリピン・マニラにて、
戦争記憶にあえて触れながら《たこを焼く》という作品をつくった武田力。民俗芸能とアジア、
民主主義と西洋、
読めば読むほど思考の材料が出てくるような仕掛けにしています。
- 「代わりに読む人」友田とんの、マレーシア駐在時代の記憶
「代わりに読む人」代表で、作家の友田とん。マレーシア・
イポーでエンジニアをやっていらっしゃった時代のエッセイを、
書き下ろしていただきました。なーんにも起こらない。けれど、
どうしてこんなに掴まれるのでしょうか。圧巻のエッセイ、
とにかくおすすめです。
連載第3回目を迎えた、ローカルメディア研究者・和田敬(わだ・
たかし)による論考。ついに、
台湾で地下ラジオが生まれ始めた時代の話に突入です。
タクシー運転手たちの立ち上がる様子は勇気付けられます。また、
聴取者参加型のCall-inスタイルの中でも、
今の
SNSと同様「炎上」に似たようなことはあったんですね。
我々がまったく知らない、カワイイでもオイシイでもない台湾の「
政治的な顔」を、深く知ることのできる連載です。
檀上遼(だんじょう・りょう)の
聞き書き連載は、
檀上さんとも近い
アイデンティティを持つ女性にインタビュー。
編者山本が一番衝撃だったのは、最後のお葬式のお話。
お葬式って、同じアジアでも、それぞれに違いますよね。
音楽ライターの齊藤聡(さいとう・あきら)が書いたのは、
一般社団法人ほうせんかによる韓国・
朝鮮人犠牲者追悼式のようす。
フリージャズや即興演奏と、朝鮮のプンムルが、どう、
つながるのか? ほうせんかによる追悼式、
今年は9/2(土)開催とのことです。
ポロッと「日本鬼子」と笑い話で言ってしまう人。
他意なく公共の場で「中国と日本、
いろいろあるけどうまくやっていこうね」と言う中国の若者――。
中国音楽や中国伝統劇を研究しつづける長嶺亮子(ながみね・
りょうこ)は、豊富な現地調査のなかで出会ってきた、
中国の人たちの素顔を引き出してくれました。
ーーーーー
編集者としての余裕?も出てきたのか、最初から最後まで、私も言いたいことを言わせてもらっている号です。
販売店リストは随時更新していきます。書店の方、レコードショップや小売店で注文を希望される方は、こちらをご覧ください。