対コロナ便乗型生活見直し記録8/16

 沖縄から大阪に引っ越したのが2019年の9月末。引っ越してすぐの我が部屋は風が通り暑くなく、こんな感じならクーラーなしでも夏を越せるんじゃないかとたかをくくっていたら、とんでもない暑さでこの数週間不機嫌になってしまった。思い返せば、去年の今頃は大阪と沖縄を1ヶ月に二度ほど往復していて、沖縄に帰るたんびに「いやー、大阪の暑さは異常。沖縄の方が風が涼しくてまし。」と何度知人友人に言ってきたことか。夏が来る前にさっさと夏の準備をしておくべきだったのである。

 

 部屋の管理人に「クーラー購入と設置工事の費用を、折半できないだろうか。この部屋を出るときは置いていくので」と交渉してみるが、さすがこのご時世にインターネットさえも使わずデジタル化を拒み踏みとどまり続けている我が管理人。うんともすんとも言わないし、管理人の顔を見てると、こんな交渉を粘っても好転しそうにない。交渉するのが時間の無駄や、ということでさっぱり諦めた。そして、生まれて初めて窓付けクーラーというものを購入し設置した。到着数日前から説明書を読み、設置のイメトレもした。ヤマト便で到着したクーラーは思ったよりでかくて重かった。が、ひとりでも難なく取り付けることができた。涼しい。

 

 涼しくなった我が部屋、もう一つの難点はカーテンであるということに気づく。東側一面が窓とベランダ。朝日をもろに受ける我が部屋。朝8時台から屋内でも熱中症を恐れるほどの暑さになる。よく考えてみると、ペッラペラの薄いただの布に鳩目パンチ打ってS字フック引っ掛けただけのカーテンで我慢してきたから、これだけ外の熱を通すんじゃないのか。クーラーを買って、その次に1万円だけ出せば、これはクーラーに使用する電気代も大幅に削減できたりして。さっそくニトリのオンラインショップを覗き、「遮光」ではなく「遮熱」カーテンのほうを必要枚数購入。ちょうど1万円。

 

 性格が貧乏性であるだけでなく、さらに事実として貧乏なので、衣食住の住についてはよっぽど困ってなければ無頓着になってしまいがちだが、住を整えることは結局生活費を抑えることにつながったりして。脳内の経理担当者は突然の合計4万円強にもなる出費を嘆いているが、脳内の社長は「長い目で見たらこのほうがええんやで」とゆったりくつろいでいる。社長、信じてるで。

 

 さて、部屋が涼しくなったら、調べたかったあれこれや読みたかった本や資料にやっと目がいく。Offshoreでも、この渡航できない期間に何を書いていくか、ということを考えていて、さっそく第一弾の調べ物に入っている。Offshoreでは、今後しばらくシリーズとして「中国語圏とその周辺の音楽・出版物レビュー」を書きためていこうと思う。行けない今だからこそ、中国で台湾でせっかく買ってきていたのに聴き込めていない音源や、まだ読めていないライナーノーツや、まだ理解しきれていない事象などを調べる、うってつけの機会。月一回ほどの更新を目標としている。

 

 ウェブサイトとしてのOffhsoreを見るとまったく更新が不定期で遅く、やる気のないように見えるかもしれないが、私個人としてはいつでも中国語圏の動きを知ることにはやる気がある。実は今年から、某音楽系の学会に知人である先生にご紹介いただき入会させていただいている。最近は中国や台湾からの留学生の発表も多いこの学会なので、鮮度の高い情報に期待している。とはいえ、例会や大会なんかには物理的に行けないだろうな、交通費捻出できないし。と思っていたのだが、今年は例会も大会もオンラインで開催されるようで、Covid-19のおかげでハードルが低くなったような気もしている。

 

 仕事では、たまたま大学生と連絡を取り合っているのだが、今オンライン授業を余儀なくされている大学生が30代や40代になった頃には、「Face to Faceで話すこと」の優先順位がとても低くなるだろう。そうなれば、まさにブルシット・ジョブとさよならできる時代が来るかもしれない。私はまだデヴィッド・グレーバー著『ブルシット・ジョブ』を読めていないけれども。

 

 Covid-19前と以降、メリットとデメリットって、よーく観察してみると半々ぐらいなんじゃないだろうか。

 

 対コロナ便乗型、と題したこの日記は2ヶ月書いていなかったが、2ヶ月経って、今になって大阪府の感染者数がこんなに多いとは驚きである。それでも、周りはみんな落ち着いてきたし、いまだに周辺で感染者が出ていない。選挙のときにはTwitterで皆が「〇〇党に入れてる人なんて周りでいないのに、いったい誰が支持しているのか?」みたいな話をしたりするエコーチェンバー現象があるが、感染症こそエコーチェンバーとも言えるのか。しかし私は罹患してしまえば有給消滅確実だし、蓄えもないし、意地でも感染したくない。だから、よっぽどでない限り遊びに行かないし、まだまだ自宅がある此花区と職場がある西区に籠城を続ける覚悟でいる。

 

 先日、ものすごくイライラしてしまったことがあり、その後ツーンと頭が痛くなってきて、この頭痛は久々にひどく、嘔吐するまで悪化してしまった。実は、たまにすごく嫌なひとと接したりすると、こういうことが起こる。年に2回ぐらい。その話をぽろっと友人にすると、「そこまで?そこまでの頭痛とかがあるなら、アンガーマネジメントのカウンセリングとか受けた方がいい」と促され、カウンセリングを受けてみることにした。その友人こそ、昔はあらゆることに怒ったり嘆いたりしていたけど、カウンセリングを受けることにより、世の中へのテキトーな接し方のコツを得、グッと楽になったらしい。ただその代わりに、がむしゃらに努力したり、熱かったころの自分は、もう二度と出てこなくなったらしい。

 

 試しに、アンガーマネジメントに関わる本を読んでみてアンガーログやストレスログもつけてみたが、自分のAngerはそう簡単に解きほぐれないような気もしている。アンガーログを付けながら、客観的に自分を観察しているもう一人の自分がこう言う。「だって論理的に考えたら、これで怒るのは当然、怒りたくなかったら離れるだけ。筋が通ってないのは向こうやんかいさ」と。それが確かにロジカルで、自分が反論できずにたじろぐ。

 

 こうなってきたら、確かに、人にカウンセリングしてもらった方が早いような気がする。結果を乞うご期待。ここで書くか書かぬかわからぬが。

 

 

2020年11月noteより移行