飲食店の客層

『オフショア』発送作業がほぼ毎日のように続き、有難い限り。こういった「外に開く」意識の時って、どうしてもブログにこそっと少しだけ走り書きするような「内向きの」「取るに足らない」話題を書き残すことができなくなる。

けれど本来、人が人間の内面を見つめられるとすればそれは自分という人間の内面にしか向き合えないのであって、そこを素通りしていくとなんだか疲れてくるよね。と私は思う。一人になる時間が必要、ってよく言われるのはそういうことなんじゃないかとか。一人でじっくり鬱々と考え込む時間は貴い。

 

今日は週一でだいたい手伝っている、とあるカレー屋のバイト。

いつもどおり働いていたら、どうも、いつもの客層と違う。テレビに出たわけでもなければ雑誌に載ったわけでもない。ランチのひと波が落ち着いてから、どうして今日はこんなに客層が違っていたのか考えながら皿洗いをする。皿洗いをしながら、このビジネス街をGoogleMapで上から眺めるように俯瞰する。今日だけ、この店の、客層が、ちょっと変なのは、なんなのか。

 

ハッと思い出したのは、この客層、近くの某店の同種のランチ時の客層に似ている。どうして他人の店の客層や雰囲気まで覚えているのか、私の異様な観察の目に自分で気持ち悪さも感じるけれど、ハッとひらめいた。でも半分冗談のつもりで店主に「この客層、〇〇のランチピーク時の客層とめっちゃ似てる。もしかして今日〇〇休みなんちゃう?」と言ってみる。

 

店主がさっそくTwitterで調べると、なんと私の予想は大当たりで〇〇は今日休み。〇〇から流れてきた客で今日の私のバイト先の店内が混み合っていたというのは、冗談のつもりだった私も驚く真実。

 

にしても、私は他人の雰囲気や外見から「〇〇の客っぽい」と考えたこと、自分で自分に対してガッカリするし、また、それがあながちあてずっぽうでもなく真実であろうこともガッカリだ。どうしてガッカリかというと、これって、要は「こういう雰囲気の人はこういう店を好む」方程式ができてしまっているということで、人が毎日食わなきゃ生きていけないという前提に成り立っている飲食業にも「ファッション」が大いに関係しているということだ。

 

まあ、自分の店でもないからどうでもいいのだけれど、今日自分にとっての新種の客層を接客して気持ちよくなかったことは残念だった。PayPay画面を最後の「支払い」まで見せてくれない人とか、何も言わずにお金をトレイに置いてこちらが確認する間も待たずに去っていく人。新種の客層は、ちょっとみんな飲食とかのバイトしたことないんかもね。

 

静かになった店内で、「私はこの店やったらバイトできるけど、〇〇ではバイトできへんわ」と、皿洗いながらぼやいた。