堂々とバイトをしよう

バイトテロというのだったか。それにならないように気をつけながら、バイトの話をギリギリのラインで書いていくのはまあまあおもしろいし、自分が置かれている状況とかすごく客観的に考えることができるからすごく楽しい。

さっき、某スーパーのフードコートでワイン一杯ひっかけながら投稿したFBの画像が下。

帰りに小玉スイカを買ってひぃひぃ猛暑の中自転車を漕いで、考えた。

家についてから、畳をほうきで掃除しながら考えた。

汗だくの体をシャワーでさっぱり流してから、さらに考えた。

※今、私緊急でやらないといけないことは、『オフショア』第3号の組版なんだけれども、今考えたことを忘れてしまうのはもったいないから、まず、ここにしたためている。さっさと書いて、組版やります!

 

最近、「バイトしてるってどんどん言うていこうや!」という、スローガンのようなものを自分のなかに掲げていて、実際に、編集や文化芸術系仕事の打ち合わせやメールの中で「あ、すみませんその日バイトなんで」とすぐに「バイト」という言葉を使うようにしている。

というのも、「バイトしてる」っていうのがなんか「恥ずかしいこと」のように思われてる世間がすごく嫌だからだ。

自分の生活に必要な予算が足りなければバイトすればいいし、「自分のやりたいこと」で稼がなくたっていい。「自分のやりたいこと」はボランティアでやっててもいいじゃないか。「自分のやりたいことをマネタイズしなければいけない」なんてことも、全然ない。そんなことは、みんな口に出して言わないだけで、みんなもそう思ってるんだろうか?

ある意味、私は悲観的である。今年40歳の私が、今後、「文化的な仕事(=つまり原稿や編集や文化芸術に関わることで自分が心底やりたいと思ってやる仕事)」の一本だけで食えるとは思わない。そういう文化的な仕事だけでがんばったら食えていた世代・時代は、もう過去の話だと思う。

衣食住に関係のない、人間の余暇に含まれるような文化の仕事は、まだまだ資本主義社会が続く限り、「それだけで食える」状況はつくりづらいと思う。それだけで食えた人たちは、バブルのおかげだったと思う。

 

かたや、「このままじゃ文化の担い手がいなくなるから賃金をあげろ!ギャラをあげろ!」という向きもあるが、私は、どうもそこに乗っかれない。(行政や自治体の公益財団法人の業務、つまり公的な仕事の場合は賃金上げるべきだが)

 

なぜかというと、私はまあまあ予算管理のほうにも回ることが多い。全体予算が見えてしまうと、どう考えても、全員がギャラをじゅうぶんにしっかりもらえるような予算があるということが少ない。それをやるには、別の線で利益率のいいプロジェクトや薄利多売の事業を走らせておいて、その利益をこっちのプロジェクトに持ってくる必要がある。もし民間事業で助成金をもらっていたとしたらできるんじゃないか、と思いがちだが、ぜんぜんそんなことはない。助成を出す側である支援団体の要項や要領をみてみれば、すぐにわかると思う。制限が多いし、助成申請額満額をくれるなんてことはまず少ない。そして、なぜか、事業の代表者のギャラはその助成金で出してはダメだったりする。おおむね、文化的な仕事は、それだけで採算がとれるようにはなっていない。ボウモル・ボウエンの理論かも。

https://www.amazon.co.jp/%E8%88%9E%E5%8F%B0%E8%8A%B8%E8%A1%93%E8%8A%B8%E8%A1%93%E3%81%A8%E7%B5%8C%E6%B8%88%E3%81%AE%E3%82%B8%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%9E-%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%A0-J-%E3%83%9C%E3%82%A6%E3%83%A2%E3%83%AB/dp/493127627X

 

 

ところで、最近始めた外国籍の人を送迎するバイトは、思い返してみたら、私が過去にやっていたことそのまんまである。その人の入国準備をして、入国したらキャッチしてアテンドして。こんなに、違う業界でもやってることが似てる業種があるのなら、なんか希望を感じる。

 

くだらなそうに見える仕事も、世の中の仕事ぜーんぶ全部を、いちど、トランプゲームの「神経衰弱」みたいにバラバラに並べてみる。

そのなかから、
「A業界でやってるこの[〇〇]という仕事」
「B業界でやってるこの[〇〇]という仕事」
というペアを見つける。
[〇〇]にあたる部分が共通する仕事を見つけてきて、その仕事ごとに会社をつくったり個人事業主のグループをつくったりしたら、どうだろう? 世の中結構うまくいくのでは??

就職活動の時なんかは「どの業界に行きたいか」ではなくて「どの実務をやりたいのか」で考えるということ。音楽や文化芸術界隈における実務内容をざっと一覧してみて、どの実務が他のどの業界に応用が効くか、考えてみること。

 

あと、文化系の現場では、あまりにも「共通言語」でものが進みすぎていて、こういう場に出入りする人たちが、自分と違う階層の人たち、自分と違うシーン(界)にいる人たちと接触することもすごく大事だと思う。誰のための文化か?というところである。すでに、文化に手が届く人たちのために、内輪ですすめていていいのか。本当に届けるべき相手には、届いているだろうか。

 

やっぱりどんどんバイトしよう。堂々とバイトをしよう。

 

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2023/07/17 facebook投稿